ダイエットを成功させるためには食事管理はどれくらい必要か?
ダイエットを始めるとき、まず食事のカロリーを気にする方が多いのではないでしょうか?食事とダイエットには深い関係があり、食事の管理はダイエットを成功させるためにはとても大切です。
しかし、管理の仕方を間違えると、リバウンドしやすい体になってしまったり、体重が逆に増えてしまったり、と理想とは程遠い結果になってしまうこともあります。
正しい食事管理のポイントや、食事とダイエットの関係を詳しく見ていきましょう。
食事制限なしでダイエットは成功するの?
結論から言うと、ダイエットには食事制限が不可欠です。
もともと摂取カロリーが少ない方はダイエットの成果が表れやすいですが、ただ摂取カロリーを減らすだけでは健康的にダイエットを成功させることはできません。
効率よくダイエットを行うためには正しい食事制限が必要です。
食事と体はどんな関係があるのか見ていきましょう。私たちは生命を保つために食事をします。食事に含まれる栄養素は、私たちの体の材料となり、体や脳を動かすエネルギーとなります。
1日どれくらいの食事が必要なのかご存知ですか?運動量や体の大きさで必要なカロリーは変わりますが、成人女性では1日に約2000kcal、成人男性では約2600kcalが必要です。1食分に換算すると、女性は約650kcal、男性は約850kcalが目安となります。
体重1kg減らすためにカロリー消費は7200kcal必要
体重を減らすには、消費カロリーを摂取カロリーよりも多くするために運動をするか、摂取カロリーを消費カロリーよりも少なくするために食事制限をする必要があります。
体重を1kg減らすのに必要な消費カロリーは7200kcalです。体重を1kg減らすためには、7200kcalの食事制限をするか、運動で7200kcal消費する必要があるということです。
私たちの体は、運動を全くしなくても息をしたり内蔵が動くことで消費されるカロリーがあります。その消費されるカロリーを基礎代謝と呼び、女性で1日当たり約1200kcal、男性で約1500kcalといわれています。
基礎代謝に1日の平均運動量を加えたカロリーが、女性で2000kcal、男性で2600kcalです。
例えば、1か月で1kg体重を落とすことが目標の場合、1日あたり、240kcal消費する必要があります。
成人女性が普通の速度で30分歩くと、約50kcal消費できます。ウォーキングから軽いジョギングに運動量を上げると約150kcal消費することができます。いつものメニューに少しの工夫を加え、240kcal抑えた食事に変えることもできます。
食事管理だけでダイエットは可能なの?
食事管理だけでもダイエットは可能ですが、筋肉をつけながら痩せたいという方や、メリハリをつけたいという方は運動も一緒に行うことがおすすめです。
しかし、血糖値やコレステロールが気になる方、生活習慣病予防・改善が目的のダイエットであれば、食事管理でしっかりとコントロールすることができます。
食事管理が必要な理由
食事管理は健康を保つためには不可欠です。食事は好きなものを食べれば良いわけではなく、栄養バランスを考えながらとることが必要です。
栄養バランスが偏るとエネルギーが足りずに疲れやすくなったり、風邪をひきやすくなったりします。逆に栄養バランスが偏りエネルギー過多になると、肥満体系になり、体に負担がかかりやすくなります。
栄養には大きく分けて、糖質、脂質、たんぱく質の3つの栄養素があります。
食事で炭水化物をとると糖質として体に吸収され体や脳を動かすエネルギーとなります。糖質が足りなくなると血液中の糖が不足してエネルギー不足になり、元気が出ない、集中力が保てない、などの不調がでてきます。
しかし、糖質はとりすぎると体内に脂肪として蓄えられ、体重が増え肥満体系や生活習慣病の原因となります。
脂質は脳の栄養になり脳を正常に働かせるほか、ビタミンの吸収を助ける働きがあります。脂質は種類と量を上手に選びながら摂取することが大切です。脂質にはオメガ3、6、9、の3種類があります。
オメガ3は、血液の中のドロドロした油を流し、サラサラに変える働きがあります。そのほかにも、炎症を抑えアレルギーを緩和する働きがあります。
オメガ9はオリーブオイルなどに含まれる油で、抗酸化作用があり体が酸化するのを防ぎます。
オメガ6は免疫を上げるために必要な栄養素です。しかし、炎症を起こす作用がありアレルギーやアトピーの原因にもなるといわれています。現代の人はオメガ6をとりすぎる傾向にあるため、取りすぎないように注意をする必要があります。
たんぱく質は体を作る材料になる栄養素です。体では常に細胞の代謝が行われ、新しい細胞がつくられています。
髪の毛や筋肉、内蔵や爪などを健康に丈夫に保つためには、バランスよくアミノ酸をとることが必要です。不足すると、髪の毛が抜けやすくなったり、肌が荒れやすくなったり、体が疲れやすくなってしまいます。たんぱく質は脂質が多い食材に多く含まれる傾向があるので、量を注意してとることがおすすめです。
理想的な栄養バランスは1食あたり炭水化物が約100g、脂質が20g、たんぱく質が25gです。栄養素にはいろいろな種類があり、それらをバランスよくとって初めて体の機能が保たれます。
ただカロリーを減らすだけでは体のバランスが崩れてしまうので、栄養素を意識しバランスのとれた食事でカロリーを減らしてみましょう。
正しい食事方法で驚くほど体重は落ちる
栄養素を意識しながらカロリーを減らす、というと難しく聞こえますが意外と簡単に減らすことができます。
たとえば間食をしてしまう方は、間食を減らすところから始めてみましょう。または、カロリーの低い間食に変えてみるのもおすすめです。
シュークリーム1つのカロリーは約250kcal、バニラのソフトクリームは約170kcal、ショートケーキは約400kcalあります。イチゴは1粒15kcal、キウイ1個40kcalです。1日240kcalを抑えることを目標とすると、果物に変更するだけでもしっかりとカロリーを抑えることができます。
たとえばドレッシングを頻繁に使う方は、ドレッシングからレモン汁や塩コショウに変更するだけで、カロリーを抑えることができます。ドレッシングは種類によってカロリーが異なります。シーザードレッシングやごまドレッシングなどのカロリーが高いものだと1食70kcalもあります。
また、たんぱく質は筋肉量を保ち代謝を上げるため、ダイエットには欠かせません。1食のうち、卵や魚、大豆やお肉がメニューに含まれているか意識をしてみることがおすすめです。たんぱく質を増やす代わりに、多くなりがちなごはんや麺類などの炭水化物を減らしてバランスを整えてみましょう。
管理栄養士が教えるダイエットと食事の関係
ダイエットは食事のバランスが整わなければ効率よく成果を出せません。自分の食事量や栄養バランスを見直し、1日当たりのカロリーを少し減らしてみましょう。
体重が減るだけではなく便秘や肌荒れの改善、むくみや疲れの改善などにも変化を感じられます。食事のバランスを考え意識することで、健康的な理想の体に近づきやすくなります。